人生(じんせい)意気(いき)に感(かん)ず 2017-03-27

2019年10月13日

人生感意気

画像と読み下し文は、漢詩作法入門講座より借用しました。出典は『唐詩選』。作者は魏 徴(ぎ ちょう、580年 – 643年)という唐初期の政治家です。述懐 (じゅっかい)という五言古詩です。この漢詩は最後の二行が有名です。

人生(じんせい)意気(いき)に感(かん)ず
功名(こうみょう)誰(たれ)か復(ま)た論(ろん)ぜん

家には坂本三十次という穴水町出身の政治家の色紙が額に入って飾ってありますが、そこには「人生感意気」とあります。だから見慣れている言葉ですが、そういう生活がなかなか出来ないのがもどかしい。

以下読み下し文。

述懐(じゅっかい)

中原(ちゅうげん) 還(また)鹿(しか)を逐(お)い、

筆(ふで)を投(とう)じて 戎軒(じゅうけん)を事(こと)とす。

縦横(じゅうおう) 計(けい)就(な)らざるも、

慷慨(こうがい) 志(こころざし)猶(なお)存(ぞん)す。

策(さく)を仗(つえ)つきて 天子(てんし)に謁(まみ)え、

馬(うま)を駆(か)り 関門(かんもん)を出(い)づ。

纓(えい)を請(こ)うて 南粤(なんえつ)を繋(つな)ぎ、

軾(しょく)に憑(よ)りて 東藩(とうはん)を下(くだ)す。

鬱紆(うつう)として 高岫(こうしゅう)に陟(のぼ)り、

出没(しゅつぼつ)して 平原(へいげん)を望(のぞ)む。

古木(こぼく) 寒鳥(かんちょう)鳴(な)き、

空山(くうざん) 夜猿(やえん)啼(な)く。

既(すで)に千里(せんり)の目(め)を傷(いた)ましめ、

還(また)九折(きゅうせつ)の魂(こん)を驚(おどろ)かす。

豈(あに)艱険(かんげん)を憚(はなか)らざらんや、

深(ふか)く国士(こくし)の恩(おん)を懐(おも)う。

季布(きふ) 二諾(にだく)無(な)く、

侯羸(こうえい) 一言(いちげん)を重(おも)んず。

人生(じんせい) 意気(いき)に感(かん)ず、

功名(こうめい) 誰(たれ)か復(また)論(ろん)ぜん