何を基準にオーガニックで栽培する品種を決めたのか?10項目ありました。

オーガニック作物の中で直売所で確実に売れる野菜があります。2012年4月から1か月間茨城県水戸市内原の日本農業実践学園で有機農業研修を受けてきましたが、かなり内容の濃い研修でした。そこでは「ニンジン」を教えてもらいました。小さくてもミキサーでジュースにできるので人気があるとのことでした。

栽培品種の基準については以下に挙げる10項目にまとめられます。

1.最初に作業負担の軽さを重視しました。

2.次がほ場内に長期間置いておけるもの。

3.そして魚料理と一緒に使えるもの。

4.出来るだけ少ない肥料で栽培できて元々小粒なもの。

5.健康食品の材料に使えるもの。

6.わざわざ自家採取しなくても勝手に増えていくもの。

7.イノシシが食べないもの。

8.オーガニックの苗として販売できるもの。

9.ペット用食材に利用できるもの。

10.日本の四季を感じさせるもの。

耕作放棄地の再生と並行して栽培する品種を決める作業をしていました。野菜栽培を例にとると畑の土づくりをして畝立てして肥料を入れて種まき除草収穫出荷来年の準備という感じの流れになりますが、スーパーで買ってくるのと違っていろいろな資材や機械や保管場所などが必要になってきます。今でもそうですが、まず農業機械を持ってない。軽トラックもありません。どうしましょうか?とにかく先に売り物になりそうな作物を見つける必要がありました。

販売先については私が最初に農地を借りた方が和倉温泉のホテル海望の関係者だったので、和倉温泉で料理に使ってもらえるだけの高品質のものが出来れば何とかできると考えてました。また毎年8月には在所の夏祭りがありますが、神輿(みこし)を船で運ぶ独特の祭りです。その台船は能登島にある割烹旅館 網元の梅屋から借りているのでそちらにも使ってもらえそうな食材を試していました。そのうちに金沢中央卸売市場と近江町市場を結ぶ「顔の見える能登の食材」という直行便を見つけて現在に至ってます。

和倉温泉で使える里山の食材ということで考えたら海産物を引き立てる食材がいいと思うようになりました。それでワサビや唐辛子やハーブといった香辛料が思い浮かびました。これだと小さな面積のほ場でも収量は確保できます。

私が農家研修していたところは、スイカとかぼちゃと白菜その他たくさんの野菜と苗まで作ってました。経験してみて感じたことは、とてもじゃないけど重量のあるものは一人では体が続かないということでした。でも畑の中で収穫してすぐに箱詰めして出荷する方法は簡単だと分かりました。収穫するまで畑の土の中においておけば日持ちもします。

作物によっては酸性寄りの土が好きなものやアルカリ性寄りの土が好きなもの、肥料が少なくてすむものから沢山必要なものまで様々です。大きく育てるときは肥料を沢山あげればいいし小さなものだったら少ない肥料で足ります。大根はどこでも作っていますが、重量があります。辛味大根はそれよりも小型ですが値段はさほど変わりません。肥料を入れなければ甘くならないので無肥料栽培だと辛味大根には丁度いい感じです。

食味をよくするためにコンパニオンプランツを使う方法もありますが、そのコンパニオンプランツ自体が料理に使えるものを使えば一石二鳥です。最近はイノシシに食べられないという条件も必要になりました。

そんなこんなで試験栽培を続けて今のほ場には、レフォール(西洋わさび)、アピオス、キクイモ、ローズマリー、チャイブ、ヤグラネギ、辛味大根、葉ニンニク、匂い菖蒲、フキ(ふきのとう)、みょうが、よもぎなどが雪の中に埋もれています。緑肥はライ小麦とえん麦です。