新規就農したときの構想と現在の問題点-2018-02-12

2019年10月21日

現在はアジアGAP認証農場取り組み宣言まで終わっています

問題点は、借りている農地をいつでも返納できるようにしないといけないので、替わりに使用できる農地を探していることです。そして運良く借りられても作付けできる農地にするまでに1〜2年のほ場整備が必要になることです。そこら辺のめどが立たないとアジアGAPや有機JAS認証を取得できても振り出しに戻ることになります。借りられるとすれば今のようにそばに来て妨害?されないことが最低条件ですが、ここが一番厄介な部分です。今はその対策をバレないように県外に研修で出たりしてやってます。自分自身少しおとなしくし過ぎたかもしれませんね。

有機農業のきっかけ

2011年に長野県安曇野市から帰郷して1年間の農家研修時にインターネットで有機農業を学びました。有機農業のきっかけは2011年6月に能登半島が世界農業遺産に登録されたからです。時代の流れは有機農業や環境保全型農業に向かうだろうと読みました。

日本農業実践学園での1ヶ月の有機農業研修で学んだこと

2012年4月から1ヶ月間茨城県水戸市内原にある日本農業実践学園で研修しました。行ってから初めて気がつきましたが、ここは満蒙開拓団の遠征拠点でした。そばに内原郷土史義勇軍資料館という記念館があります。わたし的には有意義な楽しい1ヶ月を過ごせました。休日を利用してJA水戸管内の直営の直売所をすべて視察できました。食と農の科学館の一般公開日に「みずほの村市場筑波本店 」でJGAP認証直売所の姿を見たことが、学園内にもJGAP認証を取得した建物があったこともあって、JGAP認証取得を考えるきっかけになりました。当時の日記が現在のこのサイトの出発点になります。研修ではざっと以下のことを体験したり解説が聞けました。

  1. 踏み込み温床(地面を掘って作るタイプです)
  2. もみ殻くん炭づくり
  3. 竹炭製造(ドラム缶式)
  4. 竹林のはんぺんを使ったぼかし肥料作成
  5. 刈り草を積み上げて堆肥作り(木枠で枠組みを作るタイプ)
  6. 種まき作業とポット苗の育苗作業
  7. ほ場の畝立てと種まき、苗の定植、手作業で除草
  8. 学園直売所で販売する野菜の調製作業
  9. 有機農業全般の知識などなど

茨城県へは翌年に日本有機農業研究会主催で魚住農園さんの農場見学で再度自家用車で出かけています。このときにどこだったかで「栗のいがを積み上げて」堆肥を作っている光景を見たと記憶しています。これが穴水町の東井クリ園さんから「栗のいが」をもらってきて堆肥を作る作業につながりました。移動に自家用車を使うのはあちこち実際にこの目で見て回るためという理由がほとんどです。インタネットでかなり情報が集め安くなりましたが、まだまだ自分が本当に必要にしている情報までは上手くたどりつけないもどかしさがあります。

研修後の2012年当初の構想

就農当時は条件の悪い耕作放棄地しかありません。そこそこ良い休耕地を借りれる話もありましたが、いつの間にかどこかの農園が買っていきました。耕作放棄地は全国どこでも大体かなりの量のゴミが不燃物、危険物、粗大ゴミ問わず捨てられています。低木やら背丈2メートル以上の雑草やらで10アールほどの草刈りだけで1週間はかかりました。ゴミを拾い集めてセイタカアワダチソウやススキやチガヤの土中深くまで伸びている根っこを掘り上げると栄養分がゼロの硬い土の層の塊が地上に出ます。「天地返し」という土地改良の手法と見た目は同じですが、これが団粒構造の土壌になるまでかなり時間がかかります。最初は3〜4年かかると試算しました。

有機JAS法では、有機栽培の管理を始めて原則3年以上の農地が必要条件なので、このままでいいだろうと考えました。それに化学肥料も農薬も抜けているので有機栽培には逆に好都合です。次が野菜の種や苗ですが、有機JAS法では原則として他所から買ってきてはいけないことになっています。あくまでもここのほ場で自家採取した種や苗を使って生産する必要がありますが、まずもってそんな種や苗がどこにもありませんでした。自分で作り上げるしかない。自家採取と選抜を繰り返して品種を固定させるまでに何年かかるか?自然農法センターの解説では3〜4年らしいですが、種苗メーカーが新品種を作るときは10年くらいかけています。4年ほど選抜もしくはそのまま年越しさせればできそうだと考えました。

(リンク先は自然農法国際研究開発センターのページです)

最初は種苗を買ってきます。それが能登半島の風土に適応できるか多年生作物の場合は生態系を破壊しないかを見極めながら収益が見込めそうな作物の選定を始めることにしました。肥料分は刈り草で作った堆肥と米ぬかくらいなので大半の種苗が自生している雑草に負けました。今現在、多年生作物で4年以上生き残っているのは、アピオス、西洋わさび、匂い菖蒲、ローズマリー、レモンタイム、チャイブ、アップルミントといったところです。1年生作物は自分の技術が低くてまだ新品種作成まで進んでいません。耕作放棄地再生と種苗づくりを同時に行えば、農地に再生できたときに能登半島の風土に適応した作物の種苗も出来上がっているというのが最初の青写真でした。

最初に作ったほ場を自家採取場所と種苗育成ほ場にする

ほ場の管理は、一番最初に出来上がったほ場を自家採取場所とその種苗の育成場所で使う計画でした。これだとそれほど広い面積はいりません。このほ場から生産用のほ場に定植して生産管理と収穫作業の効率化を図る考えでした。一般的な有機栽培のほ場だと自家採取用の場所まで全部組み込んでいるので、管理がはんざつになると思いました。

ほ場整備の手順は次の通りです。

  1. 借りる前の農地の状況をはあくして作業の段取りを決める。
  2. 刈払機を使うと顔に飛んでくる割れた空きビンや小石をフェイスガードでブロックしてとにかく草刈り。
  3. 出てきたゴミをフレコンバッグに集めて除去する(10アールで満杯になる)。
  4. JGAPでは不可ですが、野焼きしてました(ただし消防署に届け出て許可を受けました)。
  5. ひととおり片付いたら改めて区画や境界を確認する。
  6. 排水溝用の額縁明きょと補助明きょを整備する。
  7. 境界より4メートル以内の区画に緩衝地帯、用水の入り口に調整池を設ける。
  8. 緩衝地帯と調整池はビオトープとカナリア効果も兼用させる。
  9. ビオトープ用の緩衝地帯なので、カエルなどが移動しやすいように45度くらいのゆるい傾斜をつける。
  10. 用水からはカエルやメダカや鮎など生き物が流れてきます。調整池には匂い菖蒲やスイレンなどを植えて生息しやすい環境を作る。
  11. 外部から持ち込む資材は、能登半島産のもみがらや米ぬかや鶏ふんや牛ふんなどを優先して使用する。
  12. うねは不耕起栽培用にする。
  13. あとはそのときどきの天候に応じて何が最善策なのか考えて実行する(大雨洪水日照りなど)。

生産ほ場では少ない肥料で作れる作物から多くいるものへ順番に輪作で作っていく

肥料がほとんどいらない作物から白菜みたいに沢山必要な作物まであります。上手く順番に作っていければ肥料が無駄にならないと考えました。

最初の障害発生を現認したのが2014年

2012年に新規就農だから2013,2014で3年目でした。今さら辞めるわけにもいかないので、かといってことを荒立てることもしたくないので思案しました。結局のところ、有機農業だとほ場ができるまで時間がかかるのでゆっくりやればいいだろうと考えました。別の場所に引っ越しも考えましたが、引越し先で別の農家から同じことをされてもなあ。

2015年に代替地を借りれたと思ったけど翌年白紙で失敗した

2016年6月の件はこのこと絡みだと思っています。まあいいけど。

でも日本国内は2020年に東京五輪開催で東京五輪で使う食材は国内産優先使用に決まって一気に流れが変わりました。過疎で限界集落まっしぐらの穴水町は東京五輪に見向きもしませんが。

それとは別に今まで農業技術や知識を修得する勉強をしてました

  1. 2012年12月 トラクター運転免許取得(石川県農業機械士もついてきました)
  2. 2015年10月 JGAP指導員講習
  3. 2016年5月 有機JAS講習(JONA)
  4. 2016年9月 JGAP指導員新旧差分差研修(JGAPアドバンス、現ASIAGAP)
  5. 2017年11月 食の検定3級合格

のとぴぃで「研修や講習」「資格や免許」というカテゴリーでまとめていますが死ぬまで勉強だと思います。