田舎暮らしにあこがれて農業を始めたい人に伝えたいこと-2019-09-08

私はUターンになります

高校まで穴水町で生活していて大学進学のため東京に出て、2011年に帰郷するまで20年以上ずっと石川県外で働いていたのでUターン組になります。今まで暮らしていて気になったことをいくつかの項目でまとめました。

まず「ホームドクター」または「ホーム病院」を決めておくことになります。田舎は病院まで遠いので都会のように救急車を呼んでも5分で来てくれません。重病患者ほど都市部の大病院に搬送されるのでさらに時間がかかります。

それから悪い人は都会だろうと田舎だろうとどこにでもいます。彼らに騙されないことと移住する前にお金を持ってきているので「かかりつけ弁護士」まで決めておければ何かの時にスムーズに対応できると思います。

悪い人に騙されないために移住する目的ははっきり持つ

上のブログカードは「新・農業人フェア」ですが、「新」とあるように昔から「田舎暮らしをしよう」といった宣伝はありました。企業の農業参入もありましたが、ほとんどが10年続かずに失敗して撤退するを繰り返しています。最初は補助金がもらえるので補助金がもらえる間は続きますが、補助金が切れると辞めていきます。

私自身新規就農する前に農業人フェアのような自治体が主催するイベントで情報を収集しました。

そのとき担当者から聞かれたのは自己資金がいくらありますか?ということでした。田舎暮らしでも当面の生活費はかかるので、うまく補助金がもらえたとしてもそれとは別に最低でも300万円以上ないと無理ですね、ということでした。だからもうじき定年の人はまとまった金額の退職金を持っているので田舎では喜ばれるわけです。

この移住者が持ってくる300万以上のお金を目当てに寄って来る悪人はどこの世界にでも普通にいます。農業人フェアに行くとまるで自治体がバックアップしてくれるような気軽さがあるので、行き詰っても何とかなるような気がします。でも移住する目的をはっきり持っておかないと悪人にたかられて実際は5年続きません。

2020年度から政府厚労省が引きこもり支援対策で農業支援事業を始めます。なにか新しいことをするような感じがありますが、補助金が切れた後どうなるかを考えると参加するすべての引きこもり君たちが成功するとは考えにくい。100人参加すれば1人だけでも自立できれば大成功だと私は考えています。

移住する前に出来ることがあれば全部やっておく

東京大阪などの大都市圏と穴水町のような田舎の一番大きな違いは情報量です。そもそも田舎の人は大都会に出たこともないので、東京大阪などの大都市圏でどんなことをしているのか知りません。田舎に行ってからでもできると思われるような住まいのことや行政サービスなどは逆に時間がかかる場合があります。

「新・農業人フェア」などのイベントで応対する行政側の人たちはそれなりに教育をされた優秀な人材です。一方で田舎の役場の人間はコネで入ったり普通にしているので能力は千差万別です。役場に入ってから公務員としてのきちんとした教育をされているのかも?です。過度に期待するのはやめた方が精神的に良いです。人間性が良い人と仕事ができる人とお金儲けが上手な人は一致しません。

田舎でのんびり過ごしたいのであれば移住する前に出来ることは全部すませておく。生活する上で例えば水回りやインターネット環境などのトラブルが起こったときのために修繕業者をあらかじめ調べておいたり「ホームドクター」や「かかりつけ弁護士」も移住前に決めておく。そういった生活の基盤がしっかりしないと農業など落ち着いて取り組めなくなります。最近は移住体験できる自治体も増えました。そのときに確認してみるのも一つの方法です。