信州の人はみんなこうですか?と聞いたら怒られた 2009-04-10

2019年9月5日

[日本海_NOTOブログより転載]

ソニーの工場でびっくりしたことの説明をするために私の視点の根拠になっている経験談をリネージュのブログを更新しないで今まで短くまとめてみました。自衛隊については守秘義務が当然あるので出したくはありませんでした。ただ私の視点の中心の部分でもあるし、おそらく一般の人たちとは違うだろうからかなり怖いけれど短くまとめました。

びっくりした内容については一般の人たちから見ればどこにでもあるような大した問題ではないような気もしています。私は派遣ラインで検査を担当していましたから当然のごとく不良品を見つけることが仕事になります。見つけると決められた手順(マニュアル)で製品管理票に記録をして修理に回します。

ある日たまたま不良品を発見したときに修理担当の人がそばで見ていて「不良箇所が分かっているからそのまま修理用のたなに置いてもいいよ。」と言ってくれたから不良報告の一部を省略して製品管理票に記入してたなに置きました。

いろいろな立場の社員さんがいるわけだけど、その中のある人がいくつもあるライン間を見回っていてその不良品にはってある製品管理票を見たわけです。それで私に対して「この管理票の書き方は何なんだ?」と。派遣ラインだから社員さんが直接指示を出すことは別に問題ありませんね。

だから私も「修理担当の人がそれでいいと言ったから・・・・・」と答えたらなぜか急に怒り出したわけです。「お前は自分のミスを修理担当者のせいにするつもりか!」ってね。「いや、だからその人にそれでいいよと言われたからそうしただけです。なんだったらその人に確かめればいいでしょう?」と私が言っても全然聞く耳持ちません。それどころかますます怒り出す始末です。結局私は正規のマニュアルどおりに書き直して修理だなに戻したけれど正直どうしてここまで怒られるのか理解できませんでした。

というより派遣社員の言うことはまったく聞こうとしないことにびっくりしました。これはさすがに自衛隊では経験したことがありません。

また、検査に使う器材がマニュアルどおりの手順だとうまく動作しない同僚がいました。そうなるとどうしても派遣社員では手に負えないから社員さんに見てもらうわけです。「今回のところはこの方法でやってみて下さい」と別の方法を教えてもらって、

別の日にその社員さん以外の人が見にきて・・・・・

「そんな方法を誰が教えたんだ!」と同僚を詰問したわけです。「え?この方法ですか?なんとかさんに教えてもらったんですけど・・・・」と返事をしたら、「そんなはずはないだろう!彼がそんな方法を教えるはずがあるものか!」とこれまた怒り出すわけです。怒られた同僚もそばでそのやりとりを聞いていた私もびっくりしましたね。何もそこまで怒らなくても、その教えてくれた社員さんに聞けばすむことじゃないですか?って。

そんなことがあってから私はここの工場の社員さんの精神構造はどうなっているんだろう?と不思議に思いました。ひょっとしたらトヨタやキャノンといった製造工場の社員はみんなこういう人たちなのかな?とか長野県の人たちはみんなこうなのかな?とかね。東京にいたときもこんな体験をしたことはなかったからね。

ネットで調べる(2ちゃんねるのメルヘンとか)と地元の人たちもいろいろ言ってるみたいだし。でも工場内のことを町中で話すわけにはいかないから(誰が聞いているか分からない)、地元の精神科の先生に聞いたら何か分かるかもしれないと思って精神科に行って見る事にしました。病院の中だったらある程度秘密は守られるだろうと考えたこともあります。さすがにいきなり本題に入るのは気が引けたから数回通って慣れたところでおもむろに聞いてみました。

「信州の人はみんなこうですか?」と。

そうしたらあきれた顔をして「そんなはずがあるわけないだろう」と怒られましたよ。

そのとき先生と話をしていて出た結論は、いろんな場所から集まってくる大勢の派遣社員(あの当時1000人以上いました)を相手にしているから自然にそうなったんじゃないのか?というものでした。確かに今から思えばそうかもしれませんね。だって今いる会社も安曇野に住んでいる地域の人も普通ですから。でもどうなんだろう?これではたして不良品ゼロの製品を作れるんだろうか?あの工場ではライン作業についていろいろ考えることができました。それが収穫といえば収穫です。