2012年に新規就農時に最初に考えたこと(その2) 2015-11-24

2017年1月24日

まず耕作放棄地の再生ですが、この場所でざっと見積もって

4枚の田んぼを合わせると20アールほどありました。

穴水町は農業委員会に届けるときは30アール以上必要です。

それで他の場所も探しました。

有機農業を選択した理由は、この場所が10年以上休耕している

状態だったので、1年短く再生できると考えたこともあります。

有機JASの規定で「2年以上使用禁止資材が使われていないほ場」は

慣行農業のほ場よりも1年短く有機JASを取得できるとあります。

さて有機農業をするとなると考えることは

農産物の生産工程での慣行農業との違いです。

現代ではホームセンターに行くと野菜苗を売っているように

種をまいて苗を畑に植える(定植といいます)までの作業と

畑に定植して肥料をやって(施肥といいます)、除草して

収穫するまでの作業と大きく二つに分かれています。

作業自体は種まきから苗を育てるまではどの野菜も共通です。

畑に定植してからの作業もどの野菜も共通なので、

野菜苗を専門に手がけても十分商売できます。

有機農業の場合は、基本的にすべて自分で手がけます。

例外もありますが、有機栽培の農地で自家採種した種苗を使うので

種を採取するための農地も別に必要になります。

自家採種をする場合も品質の良い収穫物から選抜しないと

次の世代では品質の悪いものが出来上がります。

上手く選抜できてそれを繰り返すことができれば、

だんだんと土地の風土に適応した野菜が出来上がっていきます。

このその土地に適した野菜の種苗をつくる作業が一番時間がかかるわけです。

どの品種の野菜が甲地区の風土に適応するのかという部分も

独自に調べる必要がありました。

それで最初に手がけた耕作放棄地を農地に再生させると同時に

いろいろな野菜を試験栽培して上手く出来そうなものの中から

自家採種を繰り返して品種の固定化をすることにしました。

スムーズにできればどちらも同時に3年で達成できます。

あとはこの品種を別の栽培用のほ場で大量生産するわけです。

ということで最初に自家採種と育苗専用のほ場を整備するところ

から始めました。(その3に続く)