借りている農地の状況(甲駅地区) 2015-10-25

2019年9月28日

kabutoeki

eki

2005年3月31日に能登鉄道能登線が廃線になるまでは有人駅だった甲駅を

2015年4月1日から駅舎の待合室とホーム部分を借りています。

線路沿いにある休耕田を最初に借りて種苗の試験栽培兼育成場所として整備してきました。

現在試験栽培中の作物は秋まきの辛味大根の「カザフ辛味大根」です。

2012年に種を長野県松本市の「つる新種苗」さんから買ってきて

大根のような形をしたものだけを選抜して自家採取を繰り返してきた品種です。

ん?大根で大根の形ですか?

このカザフ辛味大根はカブのような丸い形の大根なんですが固定種なので

栽培してみるといろいろな形が出現します。だから大根の形のものだけができれば

新しい品種で登録できるんではないかと考えました。

ただ辛味大根にしては味がいまいち辛くないので今年は「からいね赤」というF1品種を

種取用の採取場所に混ぜて自家採取をしました。

あとでまとめます。

ここは育苗、集荷、調整、出荷場所になるのでJGAP認証を予定しています。

けれども水道とトイレと電気がない状態なのでこれから検討します。

いちおう水道については、すぐ裏手に現在使われていない穴水町の浄水場施設があります。

トイレの使用はのと鉄道さんに許可をもらうか簡易トイレを自前で用意するかになるとお思います。

このあたりの農地の土の質はそばまで海がきている地形なので海砂が混じった土の層です。

そして耕土層を掘っていくと貝殻が混じった海砂の層が出てくることから

過去において日本海側で津波が発生したときに被害にあった形跡だろうと推測されます。

私が2012年に有機農業で新規就農をして最初に考えた計画は

有機JASの土作りに必要な最低でも2年以上の期間に何を栽培するかでした。

有機JASで使える種苗は有機栽培の農地で自家採取を繰り返したものです。

使える肥料や堆肥も有機栽培の農地あるいはその周辺に限定されます。

有機栽培ではよく使われるコンパニオンプランツという植物がありますが

市販されているものは慣行栽培がほとんどですが、使えるものはもちろん有機栽培です。

慣行農業であればなければ農協なりホームセンターに行って買ってくればすみますが

有機栽培に使うものは全部買うとなると高くつきます。

それにそもそもよその土地で栽培した種苗がここでうまく育つ保障がありません。

それでまず最初にどんな作物やどんな品種が有機栽培に向くのか試験栽培から始めました。

基準はここの土地の雑草にも負けないで越冬できて野良生えでも増えていける品種です。

特にコンパニオンプランツによく使われるハーブ類はやせた土地でも栽培が容易な品種が多いので

まずハーブ類を増やしていけばいいと考えました。

そうすれば有機JASで必要な2年後には土と同時に自家採取した種苗と

コンパニオンプランツもできていることになります。

雑草を使った草生栽培という方法がありますが、雑草の代わりにハーブ類を使っても効果は同じですし、

それに雑草に比べるとハーブ類の方が株分けをして苗を販売することができます。

現在までに越冬させて野良生えさせてきた手持ちのハーブは、

ローズマリー(トスカナブルーとマリンブルー)、フェンネル、チャイブ、レモンバーム、

ペパーミント、アップルミント、ワイルドストロベリー、ジャーマンカモミールがあります。

アップルミントについてはセイタカアワダチソウのように生態系を破壊する可能性があるので

3年間慎重に様子をみていましたが、思っていた以上に地元の雑草の方が強いと感じたので

共存できると思えるようになりました。

これらのハーブはこれからJGAP認証予定のほ場に土作りをしながら移植をしていく計画です。