ちゃんとした親方の下で2年続けるとその業界の10年先が見える-2019-09-26

始めは誰でも何も分からない新人

日本の義務教育は小中学校の9年です。高校大学まで進学してプラス7年で15年。日本は今も4月入社が多いので、そこから働き始めますが、公務員でもアルバイト経験者でもなければ新人からスタートです。

3日続けば1週間は続く。2週間続けば3か月続く。

実体験で言うと私はノートパソコンの製造工場に派遣労働者で働いていたことがありました。新製品の生産ラインからスタートしましたが、新製品の場合は作業者全員が慣れていないので最初の一日当たりの生産目標は熟練ラインの70%くらいです。熟練ラインの1日の生産目標は360台でした。これを8時間で割ると1時間あたり45台。1台作るのにかかる時間は60分かける60秒を45で割るから80秒です。

このペースで8時間、休憩をはさみながら立ったままの作業姿勢で労働しますが、途中に部品の供給待ちやらなんやらあるから実質的には60秒で1台です。新製品は製造に使う装置から部品まで新規に設計して作っているので使い勝手が違います。それで慣れるために最初は360台の7割の250台くらいから始めます。そして毎日生産スピードを上げて2週間後には100%の360台以上にします。そしてこの生産スピードが次の新モデルまで3~4か月くらい続きます。

初日に新モデルと従来モデルの違いと組み立てマニュアルのレクチャーを受けて3日で慣れればその週は大丈夫です。土日休んで月曜から始めて先週失敗して修正した点をちゃんと覚えていれば2週目から一日360台ペースまで徐々に上がっていてもついていけます。そしてこのまま生産終了まで製造を続けます。

あとは春モデル夏モデル秋冬モデルとこのサイクルの繰り返しです。

1年続けば2年目以降の作業の流れが分かる

2年目は1年目に気がつかないことが分かります。それは自分がこの職場に来たばかりの時にしていた作業です。1年目は仕事に慣れることがやっとで周囲まで見えませんが、2年目になると来たばかりの頃はこういうことをしていたと分かるようになります。2年目の半分までくれば3年目以降どうなるか先が読めるようになってきます。

実質1年半くらいで自分のやっている仕事をそのまま続けるか転職するか考え始めます。ちょうど新人が入ってきて自分はやりたくないけど休憩所の使い方とか簡単な仕事を教えてやれとか言われる頃です。自分が教わったことをそのまま教えればいいからと軽く言われて教えたら、誰がそんなことを教えたんだと怒られることも普通にあります。こうした若いときの経験は40代になってから生きてます。

大事なことは10年先でも使えるちゃんとした技術を最初の2年間で身につけること

そのためにはちゃんとした仕事ができる人から学ぶことが最短です

前職が異業種の場合でも経験してきたことは同じです。最初にちゃんとした仕事を覚えれることができれば10年後でも応用が利きます。ちゃんとした仕事ができる人は、タイトルでは親方と表記しましたが、取引先や業界関係者から人望があります。2年間の修業時代に表に出せない話の裏側にふれる可能性もあります。運悪く上手く巡り合うことができなければ自分で努力してください。失敗は成功の母です。

業界の情報は左翼メディアに頼らなくても政府機関でも入手できます

日本の政府機関の公表する白書や統計資料などは中国韓国政府のものに比べると極めて信頼できる優れた1次資料です。民間団体や大学でも日本政府が後援しているところのものは同じです。先にそういうものに触れていると日本の新聞テレビといった左翼メディアの恣意的な切り取り方に気がつくときもあります。それだけで左翼メディアをうのみにしている人たちよりも一歩先に進めます。10年経てば大きな差になります。